闇に溺れた天使にキスを。
「そうなんだ。それなのにわざわざ来てくれてありがとね。もしかして、神田くんからの伝言を聞いて来てくれたの?」
突然神田くんの名前が出てきたため、思わずドキッとしてしまう。
「…あ、はい。実はそうなんです」
「神田くん、あの子本当にいい子よね。
一昨日、たまたま図書室に来たのを見て頼んだのよ」
そしたら本当に白野ちゃんが来てくれた、と続けて話す木原先生。
どうやら神田くんは、あれからも定期的に図書室に行っていたらしい。
勉強熱心な人…と言うべきだろうか。
「でもごめんなさいね。せっかく来てくれたのに、今日私…会議が入ってるの。本当はもっと話したかったのに」
申し訳なさそうに話す木原先生。
その様子だと、もうすぐ会議に行くようだ。