闇に溺れた天使にキスを。



「私は大丈夫です。また来ます…!」
「本当?ありがとう。今度またゆっくり話しましょう」


木原先生は嬉しそうに話し、図書室を後にした。
先生いなくなったことで、静かになる図書室。


周りを見渡すけれど、やっぱり神田くんの姿はなく。


私以外に3人が図書室を利用しており、友達なのだろう、3人が同じ席に座りながら小さな声で話していた。


それにしても……今日、神田くんは来ないのだろうか。

やっぱり心のどこかで期待していた私は、彼の姿がなくて悲しいような複雑な気持ちになる。


昨日、私が行くなら行こうかなと言っていたのに。

それでも、私だってそこまで落ち込む必要はない。
気を取り直し、持ってきた本を返却ボックスの中へと入れる。


その後は次に読もうと思っていたシリーズ本を探すため、文庫の本棚へと向かった。

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