闇に溺れた天使にキスを。
やっぱり不安でたまらなくなる。
神田くんが学校を休むこと自体、同じクラスになってからは初めてだというのに。
「未央の嘘はすぐわかるんだからな。無理しない。
スマホばっか気にしてるし、誰かからの連絡でも待ってるのか?」
私のことをよく知る鋭いお兄ちゃんは、簡単に言い当ててしまう。
「あの…友達、が……一週間も連絡がなくて休んでるの」
あくまで“男の人”とは言わず。
友達と言うことで、お兄ちゃんは“女友達”と解釈しただろう。
お兄ちゃんは昔から私が男の人の話をすると、なぜかうるさくなる性格をしているから。
「それは未央から連絡しても来ない?」
「友達が、待っててほしいって言われたから…待ってて」
「不安なら自分から送ってもいいと思うけどな。
仲のいい相手なら、嬉しいだろうし。
何よりこんなかわいい天使に心配されるだなんて、俺なら嬉しくて昇天する」
私の隣に座るようにして、お兄ちゃんもベッドに腰をおろしたかと思えば、いつものように私をぎゅっと抱きしめる。