闇に溺れた天使にキスを。
さっきまでの真剣なお兄ちゃんはどこにいったんだ…なんて思いつつ。
あまり暗く捉えずに返してくれた彼に、少し心が軽くなった気がした。
「じゃあ、今日の夜まで連絡来なかったらする…」
「ああ、そうしよう。
いいなぁその友達、未央に心配されて」
「そんなことは…面倒くさがられちゃうかもしれないし」
「それは絶対ない。心配されること自体、大切に思われてるって嬉しくなるだろうから」
だから大丈夫、と私を安心させるように話してくれるお兄ちゃん。
けれどいつも通り、抱き締める時間は長く中々離してくれない。
「お兄ちゃん、もう準備しないと…」
「あと少しだけ。癒しがほしい」
「妹を抱きしめるのが癒しになるの?」
「当たり前だろ?未央でしか癒しにならない」
こんなかっこいいのに、性格がもったいない。
「お兄ちゃん、女の人にモテないの?」
「んー、まあぼちぼち」
あ、濁した。
絶対相当モテている。