闇に溺れた天使にキスを。






朝はお兄ちゃんのおかげで、少しばかり心が楽になった。
けれど───


「あれ。今日も神田、休みなのか?
この前も休みだったぞ」


1時間目、古典の時間。
やっぱり彼は今日も来なかった。

周りも『どうしたんだろう?』って、心配そうに話している。


そりゃそうだ。
だって一週間も彼は来ていない。


思わず机の下で、こっそりとスマホを見る。
もちろん彼からの連絡なんて来ていないけれど。

スマホを見つめながら、思わずため息をつく。


神田くんは今、何をしているのだろう。
不安でたまらなくなる。

危険な目に遭っているんじゃないかと不安になりながらも、またスマホをポケットに直そうとしたその時───


スマホが小さく振動した。

電話ではなく、メッセージが来た知らせとしてのマナーモード時の振動だった。

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