闇に溺れた天使にキスを。
*
朝はお兄ちゃんのおかげで、少しばかり心が楽になった。
けれど───
「あれ。今日も神田、休みなのか?
この前も休みだったぞ」
1時間目、古典の時間。
やっぱり彼は今日も来なかった。
周りも『どうしたんだろう?』って、心配そうに話している。
そりゃそうだ。
だって一週間も彼は来ていない。
思わず机の下で、こっそりとスマホを見る。
もちろん彼からの連絡なんて来ていないけれど。
スマホを見つめながら、思わずため息をつく。
神田くんは今、何をしているのだろう。
不安でたまらなくなる。
危険な目に遭っているんじゃないかと不安になりながらも、またスマホをポケットに直そうとしたその時───
スマホが小さく振動した。
電話ではなく、メッセージが来た知らせとしてのマナーモード時の振動だった。