闇に溺れた天使にキスを。
「ち、違うの…たまたま会ったというか、本当に誤解であの…」
焦る私。
これだと認めているようなものだ。
けれど、沙月ちゃんは私の性格をわかってくれているから。
「なんだ、違うのか。
ちょっと期待したのに残念だな」
すぐこれが誤解だと理解してくれた。
さすが沙月ちゃんだ。
セミロングの私よりもずっと長いロングヘアの沙月ちゃんは、しっかり者ですごく綺麗な女の子。
すっぴんでも十分綺麗なのだけれど、年上の彼氏がいるようで、いつも気合を入れてメイクしてきていた。
そのためさらに大人びていて、制服を着ていなければとても高校生には見えない。
少し気が強そうにも見える彼女は、優しくてお姉ちゃん的存在。
沙月ちゃんみたいなお姉ちゃんがほしかったな、なんて思ったり。