闇に溺れた天使にキスを。
「そうだよ、一緒にいられなくなるなんて許せないもん」
「白野さんが厳しくなっちゃった」
「これから神田くんをずっと監視してやる」
「白野さんに監視されるの?嬉しいなぁ」
監視という言葉を聞いて、普通は嬉しいと思うのだろうか?
少し神田くんは考え方がずれているようだ。
「じゃ、監視するっ」
「ずっとそばで俺を見張っててください」
嬉しそうに、ニコニコ笑う神田くんは柔らかな空気をまとっている。
優しくて温かい、神田くんの笑顔につられて私も笑った。
「だから俺も、白野さんを束縛するね?」
「束縛…」
「これから涼雅とふたりきりになったら許さないから」
「え……?」
「ラブホなんて行ったらもう許さないよ、白野さんを家で軟禁状態にしてやるから」
軟禁……監禁よりも現実味があり、神田くんなら本当にしてしまいそうだ。
「涼雅くんとは何もないよ?」
「何もなくても俺が不安になるの」
「不安になっちゃうの…?」
「俺、嫉妬深いから」
涼雅くんも言っていた、神田くんは嫉妬深いと。
それからめちゃくちゃにされるとも───
「早く俺のお嫁さんになろうね」
「へっ…!?」
「たくさん愛してあげるからね。白野さんの弱いところ全部、探し出してあげる」
「よ、弱いところ…?」
わけがわからず神田くんを見つめていたら、彼はふっと小さく笑みを浮かべて。
少し嫌な予感がした時にはすでに遅く、神田くんが私の首筋にキスを落とした。