闇に溺れた天使にキスを。
「どうして白野さんに見せたのかって?」
私の小さな呟きの意味を、彼ははっきりと読み取ってくれた。
首を縦に振って頷けば、また彼は笑った。
今度は妖艶に、そしてどこか危険さを漂わせながら───
「そんなのひとつしかないよ。
白野さんを完全に捕らえるため」
さらっと、すごいことを言った。
私を、捕らえるため…?
それはとても危険なことじゃないかって、不安になる。
その思いが顔に出ていたのか、神田くんが私の頭を優しく撫でた。
その手つきが優しくて、少し不安が和らぐ中。
彼がまた口を開いた。
「関わったからにはもう、逃げられると思わないでね」
今度は頬に手を添えられたかと思うと、彼の顔が近づいてきて───
気づけばふたりの距離がゼロになり、そっと唇を重ねられていた。