闇に溺れた天使にキスを。
「うん…」
「華さん、安心してもらって大丈夫です。
白野さんは人に言いふらすような性格、していません」
はっきりと言い切った神田くん。
どうやら私は、彼から信用されているらしい。
もちろん言いふらすようなことはしないけれど。
「あの、拓哉さん…どうしてそう言い切れるのですか?」
今度は控えめに話す先生。
少し怯えているように聞こえなくもない。
「白野さんは、穢れを知らない人です。
純粋すぎて、逆に染めたくなる」
私の頭に手を添えて、耳元で低く囁かれる。
思わずゾクッと体が震えた。
獣の標的になってしまったかのような、そんな気持ちに駆られる。
きっと最後の言葉は、私に向けられてのもの。
神田くんは私を、どのように染めたいのだろう───