闇に溺れた天使にキスを。
「何かされてほしい?」
意味深な言葉。
もし手を出すのなら、聞く必要なんてないのに。
首を何度も横に振る。
嫌だ、怖い思いはしたくない。
「そんなに不安な顔、しなくていいよ」
「でも、神田くんが…」
「傷つけるようなことは絶対にしない。
危害を加えるつもりなんてないから」
そっと、彼の指が私の頬を撫でる。
目を細め、微笑ましそうに私を見つめながら。
「ほんと…?」
「……怖い?」
ストレートな質問。
「怖い、けど…神田くんは怖くない、優しい」
正直怖いけれど、彼自身に対しての怖さじゃない。
何か手を出されるのかと考えたら怖いのだ。
「もー、そんなかわいいこと言って。
きっと白野さんは誤解しちゃったんだね」
だから大丈夫と彼は言い、また私を抱き寄せる。
そんな神田くんの開いたシャツからは、和彫りが見え隠れしていた───