闇に溺れた天使にキスを。



「そんなに自分を蔑まないで?白野さんは自分で思っている以上に、優しさに溢れた純粋な子だから。

少なくとも俺はそう思ってる」


勝手に落ち込んでいる面倒くさい私を、彼はフォローし慰めてくれるけれど。

自分が一番わかっている、いいところがひとつもないってことを。


「あ、こら。
勝手に落ち込まない」


またひとりで落ち込んでいると、それに気づいた神田くんに怒られてしまう。

全く怖くない、優しい怒り方だった。


「それに、俺だけが知っていればいいよ」
「え……」
「白野さんのこと、全部」


冗談のつもりだろうけれど、その言葉に笑みに、胸が高鳴った。

どこか危険さを感じさせる雰囲気。


怖いよりも、そんな彼に引き込まれそうになるから余計に危険だった。

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