アナログ恋愛
「今日はとりあえず当面の予定から説明するから」
そう言って渡されたのは、文化祭当日までの大まかな予定表。
打ち合わせやリハの日時などが書かれたそれを見て、仕事の多さに驚いた。
…もしあたしが小野チャンと約束しなかったら…
この人は1人でこの仕事をこなすつもりだったんだろうか。
着崩された制服に
色素の抜けた髪の毛
たくさんのピアス
外見からは全く想像ができないけど、実は結構まじめなのかもしれない。
よく考えたら、「文化祭実行委員長」なんて、めんどくさい仕事やってるんだし。
さっきの予定表も、きちんとパソコンで作成されたものだったし。
「あ、梢チャン。」
「なんですか?」
「あのさ、連絡するの困るから番号とメアド教えて?」
-…来た。