アナログ恋愛



「-…さて、」


先輩の声でふと我に返った。


「今日は初日だし、もう帰っていいよ。」

「え、いいんですか?」

「うん。明日からがんばろっか。まだ明るいし、大丈夫だよね?」

「あ、はい。」

「じゃあ 気を付けて帰るんだよ。」



少し拍子抜けしながらも、帰り支度を整えた。


そして、
部屋を出る、瞬間。




「家帰ったらゆっくり寝るんだよ?」


後ろから聞こえたその声に振り返ると、松谷先輩が穏やかに微笑んでいた。

< 14 / 78 >

この作品をシェア

pagetop