アナログ恋愛
プリントは今日も数学。
せめて日替わりだったらな…。
毎日数学だなんて、正直キツすぎる。
プリントとにらめっこしながら、ふと昨日の付箋を思い出した。
昨日は急いで松谷先輩のところに行かなきゃいけなかったから、あまりゆっくり考える時間がなかったのだ。
とりあえず、とプラスチック製のペンケースの裏に貼り付けていたそれを手に取り、眺める。
『がんばって』
性別すら、判別できない字。
綺麗に整っているけれど、丁寧に書かれた感じではなく、どちらかと言えば さらさらーっと書いたように思える。
「…見覚えないんだよねぇ…」
思わずぼそりと小さく呟いた。