アナログ恋愛
「…まぁ、なんにせよ、悪い人じゃなさそうだしさ、」
「まぁ、ね。」
どちらかと言えば、お人好し説が有力だし。
「もし、縁があれば、きっとまた会えるよ。」
「梢のことだから、お礼が言いたいだけでしょ?」と付け足した咲は、本当にあたしのことをよくわかってると思う。
結構ボーっとしてるクセに、驚くほど人のことよく見てるんだよね。
「…そうだよね、ありがと。」
なんとなく、また会えるような気がする。
お礼はそのとき言おう。
時計を見れば おじいちゃんの授業も残り15分。
それを有効に利用するために、あたしはプリントに取りかかった-…。