アナログ恋愛



「…まぁ、なんにせよ、悪い人じゃなさそうだしさ、」

「まぁ、ね。」


どちらかと言えば、お人好し説が有力だし。


「もし、縁があれば、きっとまた会えるよ。」


「梢のことだから、お礼が言いたいだけでしょ?」と付け足した咲は、本当にあたしのことをよくわかってると思う。

結構ボーっとしてるクセに、驚くほど人のことよく見てるんだよね。


「…そうだよね、ありがと。」



なんとなく、また会えるような気がする。
お礼はそのとき言おう。




時計を見れば おじいちゃんの授業も残り15分。
それを有効に利用するために、あたしはプリントに取りかかった-…。



< 19 / 78 >

この作品をシェア

pagetop