アナログ恋愛
「どうした、及川!!今日は早いな!!!」
「ふふふ…」
目を丸くして驚く小野チャン。
今日は授業時間をうまく使ったおかげで、放課後すぐにプリントを提出することができた。
「地震でも来るんじゃないだろうな…。」
わざとらしく不安げな表情をする小野チャンを睨む。
あたしだってやればできるんだ!!…って言おうとしたけど、放課後の静かな職員室で それを言うのも どうかと思って、やめた。
「うそうそ。冗談だって。…この調子でがんばれよ。」
意地悪な笑顔を浮かべ、くしゃっとあたしの頭を撫でる。
…小野チャンも悪い人じゃないんだよね。
だから、なんだかんだ言いつつ、嫌いになれない。