アナログ恋愛
変化
「えぇー…桔平はぁー?」
…何回目だろう。この反応。
「ですから、先輩は他の仕事が忙しくて…。あたしが代わりに頼まれたんですよ。」
引きつらないよう注意して、笑顔をつくる。
最初こそ、「あぁ…先輩モテるんだな。」ぐらいに思ってたけど。
3日も続けばさすがに疲れる。
目の前の先輩はバリバリのつけまつげを揺らし、グロスでテカテカした唇を尖らせた。
あぁぁ…とことん あたしの苦手なタイプだ。
「てゆーか、桔平の手伝いならエミがいくらでもやるのにぃー…。」
-じゃあ代わってよ、という言葉が出そうになるのを、必死で堪えた。