アナログ恋愛
足がもつれそうになりながらも走ること数分。
やっとのことで校門が見えてきた。
時計を見る暇なんてあるわけもなく、本鈴が鳴るまで あとどのぐらいあるのか分からないけど。
-いける!
なんとなく、そう思った。
それなのに、
「-…っ!!」
神様は、あたしを見放したらしい。
角から曲がってきた影に気づいた時は、既に手遅れで。
鈍い痛みと大きな衝撃が、体を襲う。
薄れゆく意識の中、感じたのは、
すっきりした香水の香りだけだった。