【短】はぴねす
「…っ。オレ、風呂入ってくる」
俯いたままそれだけを言い残して、席を立ってしまう。
ねぇ、何を隠しているの?
そんな風に悲しい顔をさせてしまうようなことを、あたしはキミにしたんだろうか?
なんでも分かってる、なんて。
そんな余裕なんて、本当は全然ないんだ。
いつでもキミだけに注がれるあたしの全て。
もしかして…。
こんなあたしを嫌いになった?
らしくもない、と言われてしまうようなことを考えたまま、あたしは少しだけ部屋の窓を開けてから、侑斗が向かったバスルームの方を見つめていた。