【短】はぴねす
「ふぅ…サッパリした……。風呂空いた…。奈和も入ってくれば?」
あたしがさっき脱衣所に入ったことも知らずに、明るい顔をして侑斗は、髪を拭きながらあたしの横に座ってくる。
その手からタオルを取って、向かい合わせで濡れた髪を拭いてあげながら、気持ち良さそうに瞳を閉じている侑斗に、尋ねた。
「ねぇ、ゆーと……。何を隠してるの?」
自分でも意外なくらい声が掠れて低くなってしまって。
その声色に、侑斗の身体がビクッと揺れた。
「……なんで?」
十分に間を空けたのは、多分動揺しているのを隠したかったからで。
でも、そんな行動が、もうそれを肯定しているようなもので…。
「上手く隠してるつもりかもしれないけど、そんな顔されてたら、やっぱり気になる」
「…………………」
互いに、身じろぐこともせずに沈黙が流れる。
どれくらいそうしていたのか、侑斗が、何かを決意したように閉じた瞳をゆっくりと開けた。