【短】はぴねす
「なぁ…いつだったか、奈和はオレに『先に死なないで』って、…けど、『自分が先に死んでも生きて』って言ったよな?」
あたしの足元辺りに、視線を落としたままの侑斗からは、なんでそんな前の話を出してくるのか測れなくて。
「うん……確か、言ったとは思うけど?」
小首を傾げて、侑斗の瞳を覗き込もうとした。
そしたら、何かを振り切るかのように顔を上げてきて。
その顔は……いつの間に零していたのか、涙で頬が濡れていた。
「…オレ……なんか、もう…訳分かんねー…」
一人で抱え込もうとして失敗したことを、侑斗は泣きながら、素直に打ち明けてくれる。