【短】はぴねす

顔を歪めて涙を零す侑斗は、驚くほど幼くて。

こんな風に追い詰めてしまったのは、あたしなのかもしれないと、そう、思った。


「ゆーと…大丈夫。保証が無くても、それでもあたしはゆーとだけの存在だから……」


背中が軋むほど、力いっぱい抱き締めて。

今すぐに、あたしが侑斗になれたら、その痛みさえ代わってやれるのに、と…有り得ないことを本気で願った。

それから、いつでも黒い布で隠されている左手を握り締めて…。

その布を素早く取っ払ってしまうと、そこへキスを落とす。

何度も、何度も。

最初は微かに抵抗をしていた侑斗も、その行動の意味を感じ取ったのか、また新しい涙を零してされるがままになっている。

物凄く小さな声で「スキ」だと何度も囁いて。