そんなあなたが大好きでした。
そして、いつの間にか私の頬には涙が伝っていた。目からは涙が次から次へとボロボロと零れて止まらない。


「り、つくん…ありがとっ…
私、やっぱり蒼ちゃんにっ告白するよ…!」


「ん。良かった、頑張れ」


律くんの応援を聞き、改めて頑張ろうと思った。


そしてふと、いままで疑問に思っていたことを口に出した。



「…そういえば、律くんはなんでいつもこんなに助けてくれてるの?

いくら幼なじみだからって、ほっといてくれても良かったのに。」


「あー…。んーこれを告白するって言ってるなほに言うのもあれかもしれないけどさ。





俺はなほが好きだから。




俺みたいに好きな人のためを考えて後悔なんてして欲しくないからだよ。






よしっ!この話はもうおしまい。
明日、2人になれる機会作ってあげるから
頑張ってなほ。 おやすみ」



最後は一方的に喋って電話を切ってしまった律くんに私はしばらくしても
驚きが隠せない。

なんとかこの状況を整理しなければと
さっきまでの出来事を思い出す。




「律くんは、私には蒼ちゃんに告白をしてほしい… けど、律くんは私のことが好きで…?ずっと私のために考えてくれてた…」


少しずつ冷静になっていく頭に
ある考えがよぎる。



「…じゃあ、律くんは、私が蒼ちゃんのことを好きなのをずっと知っていたのに、
こんな手助けしてくれていたの…?」



この関係の中で辛い思いをしているのは
私だけだと思っていたのに、
律くんも私と同じように…いや、私よりも辛い恋をしていた…


状況下をやっと理解した私は、目に溜まっていた涙を拭いた。


「…っ。私が泣いちゃいけない。
私のことを考えてくれてる律くんのためも、私は蒼ちゃんにちゃんと告白しなきゃ。」



そう改めて決心した私は夕飯も食べず、
そのまま布団の中に入った。
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