そんなあなたが大好きでした。
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「よし!律くんお昼行こー!」


私は勢いよく立ち上がり、少し離れた席に座る律くんに呼びかけた。



「うん、行こうか。」



そう言って私たちが向かうのは校舎の屋上。




ガチャ



屋上に繋がるドアを開けると、生暖かい風が吹く。

「まだ暑いよね~
風も吹いてるのに全然涼しくない」


「しょうがない、まだ夏の終わりだし」


律くんがそう言うと、同じく暑そうにした蒼ちゃんとりほが入ってきた。



「遅いよー早くご飯食べよう!」


お腹がすいて待ちきれなかった私は、
2人が入ってきてすぐ弁当の包みをしゅるっと開けた。


「おい、はえーよなほ!」
そう言って慌てて、座り準備をした蒼ちゃんを確認して私達は


「「「「いただきまーす!」」」」



元気よく挨拶をし昼食を食べ始めた。







しばらくして4人とも弁当が空になった頃



「やっぱり暑いからじゃんけんで負けた人2
人が冷たい飲み物、自動販売機まで行って買
ってくるってやんねー?」





暑そうにしながらも楽しそうな笑みを浮かべた蒼ちゃんの提案に私たちはすぐに乗った。



なにせ暑い。じゃんけんに負けるというリスクを背負ってまでも冷たい飲み物を
飲みたいという欲求が勝ったのだろう。





「せーの!じゃんけんっぽん!」




4人が出した手と顔を見合わせる。
私と蒼ちゃんがパー、律くんとりほがグーを出していた。



「俺となほの勝ちだな~!俺は炭酸がいいな。なほはお茶だろ?」


「うん、お茶がいい!」




「りょーかい。行こ、りほ」


「はーい」


渋々立ち上がり、買いに行った2人を見送った私達。


久しぶりに蒼ちゃんと二人きりになり、私は鳴り止まない胸の音が蒼ちゃんに聞こえないかそわそわしていた。

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