そんなあなたが大好きでした。
「なんか久々だな、なほと2人になるのも!」


「そうだね。蒼ちゃんとはクラスも違うし、いつも4人だから2人なのは久しぶりかも」



「りほとなほみたいなこんな毎日一緒にいる仲良い姉妹も珍しいだろし。」

「そうかな?普通だと思うけどな~」



そんなたわいもない話で盛り上がる。
それが私の何よりの幸せで。


そんな時。
「俺たまに、なほとりほって髪の長さが違かったら間違えたりしない?
ってよく聞かれるよ」


周りの人がそう思うのも無理はない。

私とりほは一卵性だ。


私の髪の長さはボブ、りほはロングという違い以外あまり違いはない。


でもしっかり見れば、りほの方が美人だなと私は鏡を見てよく思う。




「俺は昔から2人といるし、間違えたりはしないけどな。それにまさか好きな子とその姉妹を間違えるほどアホじゃないし(笑)」

少し照れながらも嬉しいそうに
話した蒼ちゃん。




蒼ちゃんが何気なく言ったその言葉が
ずしりと重りのように私の心にのしかかる。



「そ、そうだよー!私とりほ間違えてたりしたら、私のりほをあげないからね?」



笑顔で話せているかな。

引きつりそうな笑顔。震えそうな声。





こんなに私が焦っているのは、りほが蒼ちゃんのことを好きだからでもあるのだ。



そしてこの2人の両片想いを知っているのは私と律くんだけだから。
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