妄想から始まる恋
2
「あの〜、渡辺さん…」
次の日、ノートを返してもらおうと出社してきた貴大さんに声をかける。
「あ、俺も話あるから、資料室来てくれる?」
「わかりました。」
みんなの前で、ノートのことを切り出すのは、勇気がいるから有難かった。
にしても、話ってなんだろう…
後をついて歩いて、資料室に入る。
私が入るまで扉を抑えていた貴大さんは、私が入ると扉の鍵を閉めた。
すると、次の瞬間…
私は壁ドンされていた。
「わ、渡辺さん…?」
「貴大って呼べって言ったよな?」
「で、でも、皆いたし…」
「次、呼ばなかったらこれバラすから。」
そう言って、取り出したのは、私のノート。
「た、貴大さん…!ノート返してください。」
「えっ?やだけど?
それより、ちょっと黙って…」
口を貴大さんの大きな手で覆われて、耳元で囁かれた。