あの空を飛ぶ鳥のように

英雄、天ノ川の誕生と女王様からの頼み事

暑い日差しが私に照りつける夏。私は、1人で公園のベンチに座り、ゲームを立ち上げた。急に画面が真っ暗になり、動かなくなる。

「またか…」

私はそう言って肩を落とした。画面が動かなくなるのは良くあること。

私の名前は、ルシア。ファンタジーとバトルゲームが大好きな女の子。

「……仕方ない」

そう呟いて私はベンチから立ち上がって街を歩き始めた。ゲームに目を落としながら。

「…どうして動かないんだろ」

私がそう呟きながら歩いていると、私の狭い視界に1匹の黒猫が現れた。私は、黒猫を視線で追いかけていく。黒猫に向かって、車が走って来ていた。黒猫はその車に気づかずにのんびりと歩いている。

私は、車道を飛び出した。あの黒猫を庇うためだ。なぜ、庇うために飛び出したのかは私自身も分からない。

次の瞬間、私の視界は真っ暗な闇に包まれた。

『あの世界を救ってくれない？』

と言う不思議な声を聞きながら。