あの空を飛ぶ鳥のように
その日から数年が経ち、私は『狂戦士』に、シャインは『大魔導師』に、メルは『大司教』になっていた。
剣術士、黒魔導師、白魔導師には上位職というものが存在しており、私は剣術士から狂戦士に、シャインは黒魔導師から大魔導師に、メルは白魔導師から大司教になった。
この上位職は、なるのが難しいために少人数しか居ない。なれたものは、『英雄』扱いをされる。
街ゆく人に、『英雄、天ノ川』と言われるほどだ。私は転生したことを忘れかけて、生きていた。
「…ギルマス、ルシアは居るか?」
依頼されたクエストから皆で帰ってきた時、お城の警備兵であろう装備を付けた人物がギルド本部の入口に立っていた。
「私ですけど…」
私が声をかけると、警備兵は「天ノ川の皆様、女王様がお呼びです」と私の目の前で膝まづいた。
「女王様が…?分かりました。私たちを案内してください」
「はっ!では、皆様…私の後に着いてきてください」
私たちは、警備兵の後に続いてお城に向かって歩き始めた。