あの空を飛ぶ鳥のように
私とメルは、歩き続ける。ルシアはまだ目を覚ましていない。日も暮れてきていた。
「…近くに宿ないかな?」
私は、周りを見渡す。周りを見渡して私は気づいた。見覚えのある景色だったのだ。
「あれ?もしかして、ここ…浜の村の近くじゃない?」
「確かに…」
私は、浜の村を目指して歩く。数分歩いていると、私の予測通りに浜の村に着いた。
私たちは浜の村に入り、桃葉さんたちの姿を探す。桃葉さんの姿は、すぐに見つかり近寄った。
「…あれ?シャインちゃんにメルちゃん?」
「久しぶり。あのさ、朝からずっと城下町から歩いて来たんだ。その最中で強いモンスターと遭遇して、赤髪の子がルシアって言うんだけど、ルシアが倒れたんだ…」
「……そうだったのね。私の家を使いなさい。昔みたいにね…じゃあ、私の家に行きましょう」
桃葉さんは、私たちに背を向けて歩き始める。私たちは、桃葉さんの後を追いかけた。
「そう言えば、あなたたちは、まだ黒魔導師と白魔導師なの?」
「いや…私は大魔導師に、メルは大司教になったよ。ルシアは、剣術士から狂戦士になった」
「すごいわね!」
桃葉さんは、私たちを振り向きながら微笑んだ。そして、再び前を向いて歩き出す。