あの空を飛ぶ鳥のように
私が目を覚ますと、薄いカーテンから差し込んだ光が私の目に入る。
「あ、ルシアが目を覚ましたよ!」
シャインがメルに向かって言う。メルは「良かった…」と安堵のため息をついた。
「ごめん…」
私が2人に謝った時、部屋のドアが開いて2人の女性が入って来た。
「あ、目を覚ましたのね?シャインちゃん曰く、もう1日も眠っていたらしいから、私はもう心配で…」
「……あ、えっと…」
「私は桃葉。この浜の村に住む黒魔導師で、数年前にシャインちゃんに魔法を教えていたの」
「…私は若葉。桃葉の姉で白魔導師なんだ」
「私は、ルシアです。数年前…ということは、シャインとメルが初めて来たのがこの村だったってこと?」
「簡単にいうとそう言うこと!」
シャインが微笑む。私は「…浜の村?私がいた村とは反対で海に囲まれた村ってこと?」と首を傾げた。
「そうだよ。良く分かったね」
「メル、私をバカにしてるの?これでも国語は得意なんだよ?」
「知ってるよ」とクスリ、と笑ったメルは一呼吸置いて「食事だけして、そろそろ行こうか」と言った。