あの空を飛ぶ鳥のように
その日から姫様は、この街の政治に関わるようになった。私たち、天ノ川は「姫を救い出した英雄」とも言われるようになった。
「……転生して良かったかも。だって、こんなに輝いている顔が見えるんだから…」
クエストから帰ってくる途中、街を歩いていた私は皆の顔を見ながら微笑んだ。
「…確かにそうだね」
シャインとメルも微笑みながら街ゆく人を見ている。
近くに居たハトが、翼をはためかせて空へと飛び立った。その様子を見た私は、独り言を呟く。
「いつか、あの空を飛ぶ鳥のようにこの世界もモンスターの居ない平和になれたなら」