あの空を飛ぶ鳥のように
私の名前は、シャイン。ルシアの友だちで私の双子の姉、メルと一緒に事故に巻き込まれて目を覚ましたらこの村にいた。
小さな鏡に映った私の姿は、腰あたりまで延びた金髪に金色の瞳を持ち、黒いローブに身を包んでいる。机の上には、私の所有物らしき杖が置かれていた。
「あ、気が付いたのね?びっくりしたよ。この村の端に君が倒れていたからね…」
1人の女性が私に微笑みながら言う。
「あの…ここは?」
「……ここは、海の近くにある小さな村で『浜の村』という村よ。この村には、たくさんの漁師さんがいるのよ」
「浜の村…?聞いたことないな…」
「そうなのね…ところで、あなたは黒魔導師なの?」
「黒魔導師?」と私が首を傾げると、女性は「え?」と驚きながら私を見る。私は、真実を話した。
「……そうだったのね。えっと…」
「あ、私の名前はシャインと言うんだ」
「明るそうな名前だね。じゃあ、シャインちゃん。じゃあ、こんな言い伝え知ってる?『黒猫が現れし時、異世界から魂が飛んでくる。その人物は、やがてこの世界の光となるだろう』…」
「聞いたことない…え、黒猫?私、黒猫を見たよ?」
「私も見たのよ。えっと…メルちゃんだっけ?そのメルちゃんって、青髪の女の子?」
「青髪…?多分、メルだ」
私は小さくうなずく。女性は「この部屋の隣の部屋にいるわよ。私の姉が様子を見てくれているの」と言って、私に杖を持って着いてくるように促した。