あの空を飛ぶ鳥のように
メルが寝ているという部屋に入る。その部屋のベッドの上に居たのは、ショートカットの青髪に青い瞳。私とは反対の白いローブに白いケープ、胸元には赤いリボンが付いた格好のメル(だと思われる)だった。
「…えっと、メルで良いのかな?」
「そうだよ。そう言う君は、シャイン?」
私は「うん」とうなずく。
「だよね。ねぇ、シャイン…ルシアもこの世界に居るのかな?」
「居るんじゃないかな?」
私は、ルシアの顔を思い浮かべながら言う。メルは「じゃあ、旅しようか。ルシアを探しに」とベッドから起き上がる。
「待って。その前に、2人にこの世界のことを話さないと…この世界には、モンスターがいるんだ。それを戦うのが私たち冒険者。その冒険者には職業が存在していて…魔法を操る『黒魔導師』、剣を扱う『剣術士』、回復や補助をする『白魔導師』等々多種多様な職業があるんだよ」
「私は黒魔導師で、メルは白魔導師なのか…ルシアは何だろう…」
「……そうなるわね。…旅していると必ずやらなきゃならないのが、モンスターとの戦闘。そのための基礎知識を、黒魔導師である私と白魔導師である姉が教えてあげる…自己紹介が遅れたわね。私は、桃葉(ももは)。こっちが、私の姉の若葉(わかば)」
そう言って、桃葉さんは微笑んだ。若葉さんも微笑む。