天然たらしが本気を出す時。
「七瀬くんやっぱり字上手だよね?
中学の頃から綺麗だったもんねっ」
そう言ってニコニコと
七瀬くんに話しかける麻里ちゃん。
……もう一度言う。
私、ここにいればいいんだよね?
麻里ちゃんは応援してくれると言っていたけど、今のところただ七瀬くんと話してるだけにしか見えない…
のは気のせい?
それともなにか考えがあるとか?
自分の席に座りながらチラリチラリと二人のほうを見ていると、七瀬くんと目が合ってしまった。
彼はふわりと微笑み、こっちに来た。
「おはよ」
「おはよ~七瀬くん」
「今化学の課題やってるんだけど、橘さんやった?」
「一応!でもあと数問残ってる…」
「そっか、じゃあ一緒にやろうよ」
「そうだ「小菜ちゃんっ」
「はい!」
いきなり麻里ちゃん呼ばれ思わず大きな声で返事をしてしまった。