天然たらしが本気を出す時。


「どうしたの?顔が険しいよ?」

一人悶々としていると
麻里ちゃんが私の顔を覗き込んできた。

かわいい顔がこんな間近に…!

息止まる!





「あ、えっと…麻里ちゃんと七瀬くんって中学の頃仲良かったのかな~と思って…」

どストレートに聞いてしまった。

で、でも別に聞いちゃ悪いこととかではないよね?






「……七瀬くんから何も聞いてない…?」

「え?…聞いて、ないよ…?」






「そっか。仲ね良かったよ。それに色々あって、それを七瀬くんに助けてもらったりしたの」





色々…?
助けてもらった…?

同じクラスだったとか、部活が同じだったとか、そういう事を予想していたから予想外の言葉に驚く。





でも、それなのに高校で二人が話しているところをほとんど見なかったのは何で?




それを麻里ちゃんに聞こうと思ったのだけれど


「じゃあ行こっか」



と言われ結局聞くことができなかった。

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