天然たらしが本気を出す時。
極め付けは、次の日の昼休みの出来事だった。
お昼休みになると七瀬くんが私にお菓子やパンを持
ってくるのが最近の日課なのだ。
だけど今日は七瀬くんが教室にいなくて、なんとなく気になりながらも、ご飯の後に飲む用のジュースを買いに自販機に行った。
どれにしようかな。
確か今日はお弁当に揚げ物が入ってたはず。
それならさっぱりしたジュースがいいかな。
んー、よし。このフレッシュ桃ジュースにしよう。
お財布から小銭を出し、自販機に入れようとした時
「わざわざありがとう。じゃあね」
と、鈴のなるような可愛らしい声が。
声のした自販機の後ろの塀の方を見てみると、そこには麻里ちゃんがいた。
そして、麻里ちゃんが見ている先には
…七瀬くんがいた。