天然たらしが本気を出す時。




二人はどうやら今まで何かを話していたようで、たった今話が終わり解散した、そんな様子だ。


なんで二人が…?

思わずじっと麻里ちゃんを見つめてしまっていたせいか

彼女が後ろを向き、目が合ってしまった。




「あ、小菜ちゃん…」


私に気付いた麻里ちゃんがニコリと微笑む。


七瀬くんと…なにを、、話していたんだろう。

聞きたいけど、聞き辛い。


彼女でもない私が気にしすぎじゃないかって感じもするし。

そんなことを思っていたら




「もしかして、話聞いてた…?」



彼女が不安そうに私を見る。

…聞かれちゃまずい話だったのかな。





「ううん、聞いてないよ」

素直にそう答えれば

「そっか、よかった」

彼女は安堵したように息を吐いた。






よかった?

よかったってなに?どういうこと?

私に聞かれなくてよかった話って、なに?





ぐるぐる考えていたら、それが顔に出ていたのか



「あ、大した話じゃないんだよ。
少し相談に乗ってもらっていただけなの」




…相談?


麻里ちゃんが、七瀬くんに、?




< 153 / 189 >

この作品をシェア

pagetop