天然たらしが本気を出す時。

中学…。


そうだ、七瀬くんと麻里ちゃんは中学が同じだったんだ。





「そっか、そういう事なんだね！」

七瀬くんが好きだと自覚してしまい、さらに麻里ちゃんの行動をおかしいと感じ始めていた手前のこの出来事だ。


なんとなく、嫌な気持ちになっている自分に気がついているものの、それを表情に出すなんてこと出来るはずなく、私は笑顔を作った。









「うん。でも私、小菜ちゃんが七瀬くんのこと好きなのちゃんと分かってるからね。…でも今は少しだけ許してほしいの」




申し訳なさそうに、ごめんね。と謝る麻里ちゃん。



そんな彼女を見て、本当に悩んでいて七瀬くんしか頼りがいないのではないか、そう思った。




「ううん、そんなの気にしないで」

「…ありがとう」






………それでも。







それでもなんとなく、モヤモヤしている自分がいた。