天然たらしが本気を出す時。
………て、いうか。
今日の七瀬くんかっこよすぎない…?
制服の時の七瀬くんもかっこいいけれど、今日はなんというか、輝いてる。
太陽の光を浴びて、まるで透き通っているような綺麗な明るめの茶色の髪の毛。すらっと着こなしたカジュアルな服装に、なんだかいい香りまでする。
いや、いつもいい香りはするんだけども。
そんな彼をぼーっと見つめていると
「橘さん……今日はなんか……」
そこで言い止まってしまった七瀬くんに一気に不安が襲いかかる。
え、今日の私変だった?
…ちょ、それは困るよ!?
あれか?寝不足でくまがひどいとか?
それともここに来るまでに髪が乱れたか!?
化粧が濃かった??
いつもより何倍も気合を入れてきた分、とても不安になる。
「わ、私なんか変…?」
オロオロし始めた私に対し、七瀬くんは
「……あ、変とかそんなんじゃなくて」
そこまで言って、彼は私から目をそらし口元に手を当て、少し顔を赤くしながら
「…可愛い」
ぼそっと、聞き取れるか聞き取れないかくらいの声でそう言った。
な、なにその反応…。。
いつももっとストレートに言ってくるじゃん!?
お祭りの時なんか変態発言までしてきたじゃん!?
なのに、そんな、そんな反応ずるくない?