天然たらしが本気を出す時。
「七瀬くんって不思議だよね」
「そう?」
「うん、行動とかたまに意味わかんないもん」
「貶してる?まあ自分のしたいことを忠実に実行してるだけだよ」
「そうなんだ、よくわからないけど」
「わからなくていいよ、今は」
やっぱり不思議だ。
結局、私が家に着くまで七瀬くんは隣にいた。
「…もしかして送ってくれた…?」
「そうだけど」
サラッと肯定してるけど、まじか。
私、七瀬くんに送ってもらったのか。
うわあ、すごく申し訳ない。
「ごめんね、危ないし駅まで送ってくよ!」
まだ陽はでてるとはいえ、こんな美少年だ。
どっかの変質者に狙われてもおかしくはない。
そう思い言ったのに
「それ意味ないから…っ」
と思いっきり笑われた。
…確かに意味ない…!