天然たらしが本気を出す時。


「あ、あの。それよりいつまでこの状態でいるのでしょう…か」



告白に気を取られていたけど、未だに私は七瀬くんに抱きしめられているのだ。


うん、なんか謎に落ち着くけど!いい香りだけども!もう慰めは充分!







「充分慰めてもらったから もういいかな~なんて」


「……そ?じゃあ今からは俺を慰めるための時間ね」


「は、?」


「……今はまだ付き合ってくれないんでしょ?
俺悲しんでるし慰めてくれたっていいでしょ」


「ふ、ふしだらな!!!」


「よく言うよ。さっきまで俺に抱きしめられて安心してたくせに」


「な、!と、にかく!だめだめ、もう終わり。帰りになんか奢ってあげるからそれで許して」


「へぇ、一緒に帰ってくれるんだ?」


「あ、」


「ヤッター。橘さん嘘つくような人じゃないもんネー。今更なしとか言わないよねー」


「わかった!わかったよ!」





私がそう言えば七瀬くんは満足げに微笑んだ。






最初の頃の七瀬くんはどこへ!?



仏の七瀬くんを返してええええ
< 42 / 189 >

この作品をシェア

pagetop