天然たらしが本気を出す時。
「あ、あの。それよりいつまでこの状態でいるのでしょう…か」
告白に気を取られていたけど、未だに私は七瀬くんに抱きしめられているのだ。
うん、なんか謎に落ち着くけど!いい香りだけども!もう慰めは充分!
「充分慰めてもらったから もういいかな~なんて」
「……そ?じゃあ今からは俺を慰めるための時間ね」
「は、?」
「……今はまだ付き合ってくれないんでしょ?
俺悲しんでるし慰めてくれたっていいでしょ」
「ふ、ふしだらな!!!」
「よく言うよ。さっきまで俺に抱きしめられて安心してたくせに」
「な、!と、にかく!だめだめ、もう終わり。帰りになんか奢ってあげるからそれで許して」
「へぇ、一緒に帰ってくれるんだ?」
「あ、」
「ヤッター。橘さん嘘つくような人じゃないもんネー。今更なしとか言わないよねー」
「わかった!わかったよ!」
私がそう言えば七瀬くんは満足げに微笑んだ。
最初の頃の七瀬くんはどこへ!?
仏の七瀬くんを返してええええ