天然たらしが本気を出す時。
ミユのその言葉を聞き、隣にいたマイがさらりと髪をなびかせ

「知ってるよ。だから私その時間はちょっとあいつを落としに行ってくる」

と自慢気に鼻をふんっとならした。


そうだった。
マイは好きな人いたんだった。


付き合ったら教えると言われているからまだ知らないけど、どうやら他クラスの人みたいだ。



「やるね~。じゃあ私達は男子のところ行こ!」

とニコニコ笑顔でいうミユに

「そうだねっ」

と麻里ちゃんが賛同する。




………えぇぇぇ。

うそん。

わざわざ男子のところに行くの?えぇぇぇ。

まあ、私は行かなくていっか。


お風呂はいっちゃったし、すっぴんだし、疲れたから寝たいし。







「小菜が行かなきゃ意味ないじゃん!」と駄々をこねるミユを説得して、結局わたしはひとり残ることにした。









のだけれど、現在7時20分。






私以外のみんなは部屋を出て行った、のに




「私の目の前にいるのは誰ですか」


「見た通り」





………七瀬くんがいます。

< 71 / 189 >

この作品をシェア

pagetop