天然たらしが本気を出す時。


なんでだ…。
なんで七瀬くんがここにいるの…。

わけのわからない状態に困惑する私をよそに当の本人は「入るね」とサラリと部屋の中に入ってきた。


「え、ちょっ…!」

私の止めも虚しく空振りし、諦めて七瀬くんのあとをついていく。








そして座るところがベットしかないから、必須的にベットに座ることにはなるのだけど


「…わざわざ隣に座らなくてもよくない…?」

わざと七瀬くんから遠いところに座ったのに、彼はわざわざ移動してきたのだ。

しかもここ私が寝るベットだし。





「こんな機会めったにないんだからいいでしょ?」

「…言ってることの意味がわかんない」



私の返事も聞かず隣で
にこにことテレビを見ている七瀬くん。


どうせ移動しても無駄だろう。

諦めよ。





そしてなぜここにきたのかを問い詰めればミユと麻里ちゃんが男子の部屋に来たのに、私だけいなかったから来た。


と、とてもシンプルな答えをくれた。





「いいじゃん!私がいなくても問題ないじゃん!」



普通にそこにいればよかったじゃん!
もしくは他の男子の部屋に行けばよかったじゃん!








「俺の行動の中心は橘さんだから」


「意味わかんないよ!」






さっきから七瀬くんの言ってること意味不明なんだけど!?



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