天然たらしが本気を出す時。
ーーーーーーーー…やってしまった。
後悔の念に押しつぶされそうになる間も無く、そして訂正をする間も無く
「え~!小菜、七瀬くんが好きだったの!?」
「うそー!」
みんな盛りあがる盛り上がる 。
中には椅子から立ち上がり
「うおー!」
と雄叫びのような声をあげる子までいた。
いやまじか。
ーーーーーーまじか。
……なんで!?
なんで七瀬くん!?え?
好きな人はいない、それで良かったじゃん!
なんであえて七瀬くんチョイスした!?え!?
「小菜が七瀬くんをね~。
確かに顔整ってるしね~」
「びっくり!」
……ワタシモ ビックリ 。
「小菜ちゃん七瀬くんが好きだったんだね。
堀北くんと仲良いから、小菜ちゃんも好きなのかなって思ってたから安心しちゃった」
麻里ちゃんがまたふわりと微笑む。
ええ、それ当たってますよ!
私は堀北が気になってますけど?
麻里ちゃんと同じですけど!
なんてことを言えるはずもなく
「そんなわけないよ~、アハハハ」
乾いた笑いが溢れる。
ロボットのようにアハハハハハと笑っていると、隣に座っていたミユが何かを閃いたように、「そうだ!」と口を開いた。
「小菜、堀北と仲良いから麻里ちゃんに協力してあげれば?」
「……え?」