天然たらしが本気を出す時。

せっかくだしコウくんとも撮りたいという私の願いにより、結局3人で撮ることになった。


撮ってくれる人がいないから自撮りの形になるのだけど、そうなると必須的にくっつかなければいけないわけで。




「橘さんもっとこっち来て」

「小菜お姉ちゃん、近く…っ」


兄弟揃って私に近づくよう言ってくる。

写真に懲りすぎでしょ!
離れててもいいじゃん!
ちゃんと枠はいってるじゃん!
問題ないじゃん!







「ちゃんと写ってるよ!」

「俺こだわり強めなんだよね


と言って、私の肩をぐいっと自分の方へ引き寄せる七瀬くん。



そんな写真好きそうなタイプじゃないじゃん!

むしろ嫌いそうじゃん!

こだわり強めとか絶対嘘でしょ!







「近い近い近い!早く撮って!!」



「あ、ごめん。ぶれたからもう一枚」







そう言って笑って悪びれもなく謝る七瀬くんは至極楽しそうで。





「なに楽しんでるの!!」


写真撮るのにこれだけの労力を費やしたの初めてなんだけど!




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