天然たらしが本気を出す時。
ていうか盗み聞きみたいになってる!
離れよっ
一回教室を出て、後ろの扉から入ろう。
そう思い方向転換しようとした時
「あ、橘さん」
ぱちりと七瀬くんと目が合ってしまった。
彼は麻里ちゃんにごめんねと言ったあと私のところに来た。
…話しててよかったのに。
「おはよ」
「おはよう、七瀬くん」
「…なんかにやけてる?」
唐突な七瀬くんからのにやけてる発言。
慌てて自分の顔を手でさわってみる。
「え、!?に、やけてはないと思うけど…」
え、私にやけてたの?
え、気持ち悪い。
え、なぞ。
でも七瀬くんがわざわざ来てくれたのが嬉しい…と思わなくもないようなあるような?