天然たらしが本気を出す時。

修学旅行は同じ班だったものの、私と麻里ちゃんはそこまで仲が良いというわけではないのだ。

そう。それなのに急なお誘い。
美少女からのお誘い。


…お誘いだぞ!!!



あああ、用がなければ即答したのに!





「今日これから行くところがあって…」



心苦しい!!
せっかく誘ってくれたのに!

麻里ちゃんとカフェなんて行きたくても行けない人が沢山いるのに!





「行くところ…?それって七瀬くんも?」

麻里ちゃんが私の横にいる七瀬くんに視線を移す。




「うん、そうだよ」


「そうなんだっ、じゃあ七瀬くんも一緒にどうかな?」





うるうるとした瞳で七瀬くんを見つめる彼女。

かわええ…。
なんだその上目遣い!!可愛いか!!

私がやったらキモいって一刀両断されるぞ!

私もやりたい!モテテク使いたい!

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