あなたとの距離
第10章 まさかの、、、
なんでかなあ。
今までひっそり姿を見てた去年より、席替えで格段に距離が近づいたはずなのに、立花さんと全然おしゃべり出来ない。
なんかタイミングが悪いっていうか、話かけようとすると、必ず邪魔が入って、空回りしてる感じ。
悶々としていると、昼ごはんを終えて一緒にまったりしていた理沙が声をかけてくる。
「あれ見てよ。うちのクラスの名物コンビ。まーたやってる」
理沙の視線の先には、お手洗いに行っていた明日香と古谷さんが教室の入口付近で何事か争っていた。
「ちょっと、そこどきなさいよ、デカ女」
とのたまう明日香に、古谷さんはケラケラ笑いながら、
「何がキャンキャン吠えてるかと思ったら一ノ瀬じゃん。ちっこ過ぎて見えなかったわー」
と、平然とやり返してる。
更に応酬を繰り広げている側で、立花さんがアタフタ止めに入ろうとして、当人達から邪魔扱いされていた。
「あんなの仲が良いだけなんだから、放っておけばいいのよ」
って理沙は言うけど、そんなものなのかな。
更に理沙は続けて、とんでも発言をしてくる。
「古谷って、明日香の好きそうなタイプだし、古谷も満更じゃないんじゃない」
「え、それって、、、」
「付き合っちゃうかもね」
「えーーーー!」
「うちら高校生だよ。恋愛の一つや二つ。あって然るべきでしょ」
「、、、でも、女の子同士だよ?」
そう。
立花さんの事を想うたびに、ブレーキをかけていた事実。
理沙は何でもない風に
「今の時勢でそんな事言ってるの恵那ぐらいよ」
と平然と言う。
そうなんだ。
じゃあ私が立花さんを好きでも問題ないのかな。
淡い期待が膨らむのを感じながら、立花さんに視線を向ける。
カッコ良くて、可愛い。
憧れの人。
ぽーっと見つめていると、理沙がまたも、とんでも発言をしてきた。
「恵那は好きな人いないの?」
え?え?
女子高生なら、いや、小学生の間だって交わされる質問なんだけど、立花さんの事を考えていたせいで、答えるのに窮してしまう。
「い、いないよ。そういう理沙は?」
質問返しで切り抜ける。
理沙は、なぜか表情を曇らせて、理沙らしからぬ囁くような小さな声で、
「いるよ。ずっと。好きな人」
と告げた。
いきなりの本音トークに、上手く相槌が打てない。
「ずっと憧れてた。モテモテなのに、誰の好意にも気づかないくらい、純粋で真っ直ぐな人。何度も諦めようって思ったんだけどね。なんかライバルがアプローチかけてるの見ると、誰にも渡したくないって思うようになっちゃった」
それって、まさか理沙も立花さんの事、、、。
衝撃で頭がぐるぐるして、思考が追いついていかない。
と、そこで昼休憩を終えるチャイムが鳴った。
理沙は口に人差し指を当てながら、
「みんなには内緒ね。明日香にも。また後でね」
と言って自分の席に戻っていく。
理沙に、好きな人。
しかもそれは立花さんかもしれなくて。
どうしよう、、、。
なんでかなあ。
今までひっそり姿を見てた去年より、席替えで格段に距離が近づいたはずなのに、立花さんと全然おしゃべり出来ない。
なんかタイミングが悪いっていうか、話かけようとすると、必ず邪魔が入って、空回りしてる感じ。
悶々としていると、昼ごはんを終えて一緒にまったりしていた理沙が声をかけてくる。
「あれ見てよ。うちのクラスの名物コンビ。まーたやってる」
理沙の視線の先には、お手洗いに行っていた明日香と古谷さんが教室の入口付近で何事か争っていた。
「ちょっと、そこどきなさいよ、デカ女」
とのたまう明日香に、古谷さんはケラケラ笑いながら、
「何がキャンキャン吠えてるかと思ったら一ノ瀬じゃん。ちっこ過ぎて見えなかったわー」
と、平然とやり返してる。
更に応酬を繰り広げている側で、立花さんがアタフタ止めに入ろうとして、当人達から邪魔扱いされていた。
「あんなの仲が良いだけなんだから、放っておけばいいのよ」
って理沙は言うけど、そんなものなのかな。
更に理沙は続けて、とんでも発言をしてくる。
「古谷って、明日香の好きそうなタイプだし、古谷も満更じゃないんじゃない」
「え、それって、、、」
「付き合っちゃうかもね」
「えーーーー!」
「うちら高校生だよ。恋愛の一つや二つ。あって然るべきでしょ」
「、、、でも、女の子同士だよ?」
そう。
立花さんの事を想うたびに、ブレーキをかけていた事実。
理沙は何でもない風に
「今の時勢でそんな事言ってるの恵那ぐらいよ」
と平然と言う。
そうなんだ。
じゃあ私が立花さんを好きでも問題ないのかな。
淡い期待が膨らむのを感じながら、立花さんに視線を向ける。
カッコ良くて、可愛い。
憧れの人。
ぽーっと見つめていると、理沙がまたも、とんでも発言をしてきた。
「恵那は好きな人いないの?」
え?え?
女子高生なら、いや、小学生の間だって交わされる質問なんだけど、立花さんの事を考えていたせいで、答えるのに窮してしまう。
「い、いないよ。そういう理沙は?」
質問返しで切り抜ける。
理沙は、なぜか表情を曇らせて、理沙らしからぬ囁くような小さな声で、
「いるよ。ずっと。好きな人」
と告げた。
いきなりの本音トークに、上手く相槌が打てない。
「ずっと憧れてた。モテモテなのに、誰の好意にも気づかないくらい、純粋で真っ直ぐな人。何度も諦めようって思ったんだけどね。なんかライバルがアプローチかけてるの見ると、誰にも渡したくないって思うようになっちゃった」
それって、まさか理沙も立花さんの事、、、。
衝撃で頭がぐるぐるして、思考が追いついていかない。
と、そこで昼休憩を終えるチャイムが鳴った。
理沙は口に人差し指を当てながら、
「みんなには内緒ね。明日香にも。また後でね」
と言って自分の席に戻っていく。
理沙に、好きな人。
しかもそれは立花さんかもしれなくて。
どうしよう、、、。