先生と準備室
先生が初めて怒った。

「っ…」

優菜も黙り込んでしまう。

「あ…ごめん…木下、俺、藤井と話したい
から帰ってくれる?」

「わかりました…」

優菜が自分の荷物を持ち帰って行く。

さっきまでとは違い、廊下が再び静まり返る

「…藤井…」

「…」

先生が私の手を掴む強さを緩める。

だけど、優しく掴んだまま。

「ちょっと、話していいかな?」

「なにを話すんですか…
先生になんて話すことないですよね…」

< 115 / 417 >

この作品をシェア

pagetop