先生と準備室
「藤井、座ろっか」

綺麗なソファに座った先生にまた、

手を引かれ、体が自動的に傾く。

「ここ、俺がこの学校に来た時にね、
前の数学の先生が"秘密の場所なんですよ"
って教えてくれたんだ。階段裏の物置を
改造して、秘密基地にしたんだ。」

何も喋らない私に、楽しそうに話しかける

先生。

「俺ね、この部屋、独り占めしたかったんだ
誰にも入られたくなかった。」

じゃあ、私入ったらダメじゃん。
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